奇襲作戦の成功を祝い!と皆でガンガン飲んで自室に戻ったらそのまま寝落ち。したのだろう。
これまたアルコールの所為で夜中に変に覚醒して目覚めた。
口塩梅が悪く、洗面所で蛇口から水をたらふく飲みそのまま顔を洗った。着物の胸が濡れて面倒だ。どうせならと浴室へ。
ふらふらながらもきちんと体は洗えたらしい。記憶に無いが体からは一応の清潔さを感じた。いや、確かに洗った…よな。浴室のオレンジ色の光の中、何か歌を歌いながら頭を下手くそにごしゃごしゃやる自分の指の記憶がある様な。

桂のせいで、風呂ではよく後ろを洗う癖が付いた。
日々の調教のお陰でと言うのも変な話だが、いくら「お前なら何でも良い」等と言われようが無理矢理だろうが、汚い状態の自分の体など触られたくない。何より自分が嫌だ。
そうやって身についた入浴癖を発揮した後、大人しく部屋に戻り安心して眠っていたらしい。

問題は更にその後。
隊士達と盛り上がる高杉を遠巻きに見て気を揉むも、事情を知るだけに黙っているしかできない。
今夜は好きにやらせようと苦笑で己を抑えていた桂の気持ちなど、心配される当人は知る由も無かった。
宴もお開きになり、姿が見えず何処ぞで誰かに醜態を晒してはいまいかと心配して部屋を覗いてみれば、高杉は気持ち良さそうに眠っていて拍子抜けした。

意外に利口だったな偉いぞ、と1人微笑んで目元にキスをした。
脱いで途中まで畳んだものの酔いに負けたのか、崩れた服の山。
着ている浴衣は肌蹴て胸元の筋肉が覗く。顔を寄せると石鹸の香りがした。
む…。こんなに無防備に潰れる癖に風呂?一体どこでナニをして来たと言うんだ。桂は眉根を寄せる。
眠る高杉は、お前の調教の賜物だよとも答えられない。半開きの赤い唇をなぞり、首筋にぺたりと手を置いた。
高杉は幸せそうに熟睡したまま。首の皮膚は熱くて柔らかい。
「ん…」
微かに指先を立てすぅとなぞると鳴かれた。

少し尻込みして手を止め、恐る恐る顔を覗き込むと眉間は安らかだ。こういう時、眉間に皺が寄っていると彼は起きてしまう。
いつもこう素直に酔い潰れてくれるならありがたいんだがな。
好奇心を止められず、慎重に腰骨へ手を伸ばす。そおっと、ぺたり。
股関節に手を置くと、浴衣の生地1枚の向こうは何と素肌のようだ。
お前はすぐ風邪をひくから気を付けろとあれ程…嘆息してしまう。
股関節の窪みに沿って人差し指を滑らせるとまた小さく鳴いた。それでも無防備なもので、顔は変わらず夢の中。
幸せそうな寝顔を晒しおって。この呑気な眠り姫を如何してやろうか。桂の中でむくむくと悪巧みが育った。

すすすと浴衣の裾の割れ目を広げると予想通りに真っさらな身体が現れる。
中をこんなに解放していたら、俺は落ち着かなくて眠れないと思うのだが。
ひんやりとした夜気に晒され、おかしいとは感じないのだろうか。その体は控え目ながらも大の字を描いているので全てが丸見えだ。
流石に寝込みに手を下す予定は無かったが、一応の準備物は持ってきて正解だった。

よし。人は就寝中でも皮膚感覚を拾えるか?桂くんの特別実験を始めようと思う。
小瓶を開け、薄荷の香りの軟膏を指先ですくった。ふにゃりとこちらもお休み中の物を反対の手で固定し裏側に塗る。
大切な場所にこんな刺激物を塗られたら痛くはないだろうか。すぐかぶれるとか腫れるとか…うむ、そういった事はこいつには無かったな、なら大丈夫。

様子を伺うと、まだ高杉の眉間は平和である。ならばと自身も布団にうつ伏せ、高杉の物をそっと持ち上げ奥を覗き込む。
そうだ、穴に塗って勝手に解しておいてやろうか。しかしそうするにはもう少々大胆に大の字になっていて欲しかった。
弾力ある高級つやつや肉でちょっと…見えないな。これを掻き分けるのはリスキーである。
仕方ないから起き上がり、取り敢えず陰茎との間につつぅと塗った。
ひと塗り、起きない。鈍感すぎる。…いや皮膚感覚がねんねなのか。
「ふぇ…?」

身じろぎした高杉の目が細く開いた。まずい、実験は中止とする。
「…んだよォ…」
煩そうに呟き、腕で目元を隠してしまう。
分かってる?ねえ高杉くん、おっ広げなの分かってる?まあ俺にはそれこそ好都合だがな。お説教モードに切り替えるとする。
「酔っ払いも程々にしろ見苦しい。ノーパンもやめろ。いやお前はノーフンか」

スースーする大切な場所より何より桂の小言から逃れたくて仕方ないので、高杉は「るせっ…」と悪態をついた。正直、それだけでも億劫だった。
安眠妨害反対。背中で大いに語りつつ寝返りを打ち、手探りで捕まえた布団を被って再び目を閉じてしまう。
手持ち無沙汰に布団の膨らみを見つめた後、桂はにやついた。
どれ可哀相だから少し寝かせるか。その間に俺も湯を頂いて来よう。

高杉の私室を出て静かに襖を閉めると浴場に向かった。これは色良い実験結果が出た。
誰だって、どうしても今したいという時はあるだろう?俺にはよくある。
そしてそんな時に限って満足な返事を貰った試しが無いのだ。
晋助どうだ、俺は眠い軟膏無いだろまた今度。
そう無下に振られる対策が見つかったという訳だ。

無人の浴場を独り占めして体を洗いながらウキウキしてしまう。ヘアケアも忘れない。
あの様子なら今夜はイケるな。
他所でみっともない姿を晒した罰だとか何とか、付け入る隙は大いにある。
あまり力は残っていないようだったが何をするか分からない獣だからな。縛る物はあったろうか。

浴場を出て一度自室に戻ると高杉が悦びそうな品々を適当に見繕い、嬉々と彼の部屋に向かった。
次に起こせば間違いなくむすくれるから、部屋に着いたらすぐ腕は封じてやろう。いやそれとも…。
そおっと襖を開けると先ほど被った筈の布団は押しやられ、ぱちりと開いた目が薄明かりを受け光っている。幼い頃のように甘えを潜ませた目だ。

「ヅラぁ、眠れねぇ。あ、暑いんだ」
ピンと来て、これはしめたと心の中でほくそ笑む。
「…そうかと思ってな。いつもいつもお前は飲み過ぎだぞ、みっともない。添い寝してやるから大人しく寝ろ」
しれっと隣に横になり浴衣を優しく直してやる。道具はまとめて風呂敷に包んで来て良かった。

とは言えこちらも企みを悟られない様に実は必死である。
自分の体ごと被せてやった布団の上からぽん…ぽんと腹の少し下辺りをゆっくり叩く。勿論わざとだ。
「何かしただろ」
闇の中で高杉がこちらを向くのが分かる。
「…寝なさい」
手を止め、桂は天井に顔を向け真っ直ぐ伸びた。本当に寝そうになってくる。

…ぬぅぅ「ヅラ。おい、おいって」
肩を揺さぶられハッとした。
「何したんだよお前マジで。俺の、ちんこ、おかしい!」
なるほど眠りから覚醒すると皮膚も起きるのか。見ると泣きそうな顔で自分の股間を押さえている。訴えたいのはその先だろうが。
我慢できないから、小太郎お願い。触って、と可愛く縋って来るが良い。
…と思うが全く素直ではない男なので難しい。
正座を崩した膝立ちで桂を揺すっていたから尻が少し浮いている。その隙間に腕を差し込み浴衣の裾を捲り上げた。
窪みに3本の指を当てて撫でると忽ち表情がとろける。何かしたって、分かってる癖にな?

軟膏のお陰でぬめる。だが穴を解すにはもう少々必要だ。
えーと軟膏ヌルヌル軟膏ヌルヌル…。枕元に置いたままだった。
フン、こんな近くにあるのに気付かったのか?そうだな、いつもはマイルドタイプだからな。
どれと手を伸ばし小瓶を開けて中身をもうひとすくい。
「それ、何だ」と警戒する高杉の腰を撫で、気にする事はないぞと宥めてやる。

「遠慮は良いのだ、俺ほど面倒見の良い兄貴分を持ったお前は本当に幸せ者とだけ肝に銘じておけよ」
「誰がするしないじゃねぇんだよ、それ何だっ」
穴の入り口と周りに少し塗り込みそのまま指を差し込んで奥にもたっぷり行き届かせる。
「晋助いいこ…良い子だな。息を吐け。中に沁みないか?大丈夫か?」
はっはっ、と高杉の息が浅い。
「…変なもんじゃないよな?」
「うむ、入れて良いモノだ。晋助くんほら、クールタイプだってよ?。最近湿気が多いだろう、爽快さを求めるのも風流かと思ってな」
始める前に体と後ろをきっちり洗わないと高杉は酷く嫌がる筈だが、今夜は随分スムーズで嬉しい限りだ。つまり、 「お前、さては準備万端だったのか」

何処ぞの変態貴公子のお陰で俺の体はいつだって風流なんだよ…これは高杉の心の声。
小さく溜息をつき、桂の指を収めたまま体を倒し、その浴衣の間を広げる。
黙ってされているのは性に合わないので、高杉は自分も桂を悦ばせてやろうと思った。
飲みすぎ特有の重さを瞼に感じたが動けなくはなさそうだ。水のがぶ飲みを忘れていたらマズかっただろう。

桂の膝に腕を載せ、うつ伏せになり股間に顔を寄せる。
清潔な褌、自分の物より生地が厚くてパリッとしている気がする。こいつ、褌にもアイロンがけか?変態几帳面仮面カツーラ。
余計な事を考えてじっと褌を見つめていたら、体内の桂の指がずずっと抜けて、太さが変わって再度押し込められた。これは、3本入ったか?
「どうした、してくれるのだろう?」
ほら、ほら、と指が良い所をこする。気持ちよさで一気に体が怠くなり、悔しかった。
褌の結び目を解くとはらりと中身が現れる。本人の立ち姿のように、こちらも姿勢よく真っ直ぐに勃っている。

風呂上がりの甘い香り。それなら、ますますしてやっても良い。
舌を伸ばして触れると嘘臭い程に無味である。そして微妙にひんやりしている。
湯冷めしてねえか?顔を上げると、突然指が抜けて、今度は体の中にずずずと細長い物が入ってきた。
それは体の中で妙な曲線を描く。
ヒッと一瞬固まると、桂はそれを一気に抜いた。内臓が掻き出されるようで嫌な感じだ。
穴が少し緩み、体に隙間風が吹く。ああこれが、「風流な」軟膏ってか?
桂は抜いた物をティシュで拭き、それと穴との両方にまた軟膏を塗り込む。

一度中を可愛がられてしまうと、高杉は桂の言いなりである。
桂の膝上に顔を載せ黙っていた。卑猥な曲線を描く玩具の向きを傾けながら軟膏を塗り込めていく白い手。刀の手入れでもしているようだ。
変な話だが、こういう時でも手際が良い。
「これはな、えまねおぐらと言ってな」
「何言ってんだお前…」名前もよく知らない道具を人に突っ込むなよ。それくらい俺も知ってるよ。人の寝込みを襲う変態の癖に、なんで自分のアイテム名を忘れるんだ。

「あっごめん間違った、何かそんな曲がりくねった様な名前でな、フン、お前は知らなくて良い事だ」
桂は呼び名など何でも良かろう、と得意顔でぐいぐいと押し込んでくる。
しかしそこは穴じゃない。
「ヅラ、ちょっとズレてる。だから、違うんだよ!」
高杉は拒否して怒る立場のはずなのに結局こうだ。

「んん?これは失礼、ここだな」
ほら見ろ、お前は丁寧なのか変態なのかブレ過ぎなんだよ。真面目に確認しろ。
安堵する高杉は完全に乗せられている。
物理的には桂でも、高杉と桂ではツッコミ役が居らず妙な流れのまま事が進むのはよくある。
色事のはずがこんな俺達を見たら幼馴染はムズムズして仕方ないだろうな、と苦笑した。

それにしても流石に焦れてくる。
お前は悪役エロ代官をするんじゃないのかよ。するなら真面目にやってくれないと、やり辛くて仕方ない。
桂の膝に乗せた手に力を入れ「…クソがっ」と起き上がろうとしたら今更ながら探り当てられた。
そこから先は早く、「おおっ」と嬉しそうな声を上げながらずるりと収められた。
本当に間の悪い奴である。

「ぐ…ヅラ…何でここで打ち込むんだよ」
上手いし。きっちりと良い場所に収まった。豆じゃあないが確実に何か食らった気分だ。
「鳩?ふふ、お前は誕生日からしてな」
卑猥な棒の角度を調整しつつ、にこにこと相槌を打たれると更に情けない。
もう良いさ好きにしてくれ。ぴったりと収められ高杉は観念した。
深く息を吐いて呼吸を整え、正しく気持ち良さを享受する路線に変更だ。
そして程々にそれで遊んだら早くお前にして欲しい。とも言えないので大人しくして見せるのみである。

黙ってうつ伏せていると、何やら桂がごそごそと手繰り寄せる気配。
「ちょっとな。もう少し足そうか」
今のところ特に不具合は無いが多くて困る事も無い。任せた。
「さ、晋助。吸って…吐いて。中に一度、しっかり咥え込めるか?深く吸い上げる…そう」
つい従順になる。
入っちまったもんは仕方ない。と言うか誰かさんの安眠妨害の所為で疼いて仕方なかったのが本音だが。せっかく与えられたのだから、そりゃあ気持ち良くなりたい。
中の筋肉を動かして、良い場所に留まるよう導く。それが上手くいきすぎて、桂の膝にしがみ付き、喘いでいた。

あっ、んぁ、はぁーっ。
「晋助、もっと奥に刺そうか。この位で良いか?」
中に収まる棒の先に軽く圧がかかる。
「そ、うだな…。ヅラ、も少し、あっ」
「どうだ。締めてみろ」
「あーっ。気持ちい、そこぉっ、あとちょっと、斜め下っ」
「やけに素直だな。クールぬるぬる気に入ったか?」
「んっ」

快感をきっちり拾いたいのに、話すと意識がずれるから勘弁して欲しい。
尻にまた気を戻すと、じりじりと、塗られた軟膏の冷たさが妙な熱さに変わってきた。それに中が驚き、急な気持ち良さを拾って動けなかった。
あ、あ、やん…。だらし無く舌が垂れてしまう。
「ところで晋助。また無様に酔っていただろう」
は…?急に桂の声が冷たくなったのでどきりとして目を上げた。しかし手は優しい。
桂は玩具から手を離し、小瓶の中身を掬うと高杉の陰茎の裏をゆっくり撫で、窪みにも滑らせる。空気に触れて冷たさが増した。
「あぁ、怒ってはおらんぞ。さぁ、締めろ…」
どうだか。瞼を撫でられ目を閉じる。

また息を吐き、中の物を絞り上げると腰が震えた。その隙に桂は風呂敷の小道具セットから目的の物を探り当てる。
悩ましげに息を漏らす高杉の睫毛が震えるのが愛おしくて、本物かどうか、桂は「母性」について考える。
腹を壊すから俺が巻いてやらねばな?真新しい褌をな。

可愛い高杉は自分で気持ち良くなる事に必死だ。掌をゆっくり往復させ背中から尻を撫でると無防備に力が抜けてゆく。
その隙に褌を広げ、中に収めた玩具を固定する為に六尺褌を宛てがい、素早く結んだ。
彼が普段身に付ける褌は幅が狭いからこんな芸当は出来ない。こんな事もあろうかと仕舞っていたのだった。

気付いて暴れ出す前に。ここから先は時間との勝負だ。中には震える物の方が良かったか?もう遅い、取り敢えずえまね…で様子を見よう。
「へ…何?」
惚けた目で自分の身体を振り向こうとするが残念、もう粗方巻いてしまったぞ。
捻りは緩く、代わりに最後の腰での結びをきつくする。

「いやっ、嫌だっ」
普段は何くれと優しいのに、忘れた頃にやってくる桂の思い付きは大体が酷い。
「何でっいま褌なんだよっ。キツいっ、奥に入る…」
「すぐ取れない様に後ろできちんと結んでやるからな」
震える膝を必死に動かし、倒れ落ちそうになりながら四つん這いで逃げるも、片腕を背中にねじり上げ、褌の結び目の横を掴まれ息が止まる。奥が。
こうして固定されてしまうと逃げ場が無い様な、酷くいやらしい気分になる。

どうせ桂は後ろで笑っているのだ。
良い場所からずれてしまって、それを戻したいのに褌の所為で上手く出来ない。
間抜けな格好とは思うが、せっかく貰えると思った快感が逃げていくのは苦しい。上げた腰を必死に揺らした。
左右、これは効果が無い。前後、ん、良いかも知れない。あ、もっと、もっと。自然とグラインドが大きくなってしまう。
「可愛いぞ。ふふ、そう誘うな」
1人気持ちよさに震えるこの姿を美しい微笑みで眺められていると思うとますますおかしくなる。
「途中だったろう。続きを、しておくれ」
座り直して自分の股間を指差す白い手。

「さ、俺も少し、気持ちよくしておくれ。そうしたら、きちんとしような」
物欲しそうに腰を揺らす高杉がこちらに向き直る。
おずおずと寄ってくる姿が愛おしくて仕方無い。がばりと抱き締めたいが辛抱強く待つ。
足を胡座に崩し、膝に丸い頭を迎え入れた。
高杉は腰を揺らしながら、桂の物をいきなり口に含んだ。なかなかに切羽詰っている。
涙目で咥え、中で薄い舌を絡められると、これはクるなあ。
その顔を両の手の平でそっと包み、少しだけこちらに向けさせると角度が苦しいのか唇が緩み、ぬる、と吐き出してしまった。
唇の端が唾液で濡れている。玩具がまた効いたのだろうか、目をぎゅうと瞑り「は、ヅラっ」と小さく鳴いた。膝に置かれた手が丸まって猫みたいだ。
堪らず頭を少し乱暴に掴んで、自分の陰茎に再度寄せた。
「咥えなさい」
お利口に開いた口に突っ込む。
「んぶっ、むっ!」
すまんな、可哀想に。ああでも、可愛い、苦しいな、もう少しだけ。
乱暴に腰を振ってしまう。されるがままの高杉の目は、虚ろだ。
「晋助、舌!」
「ひっ…!」 褌を掴んでぐっと上に引くと、背が反ってびくん、と大きく震えた。

舌どころか唇は緩み、とうとう高杉は桂の膝の上に突っ伏してしまった。
やり過ぎたか。
結び目を緩め、褌を解いてやると高杉の陰茎はくったりして濡れていた。
ふふ。お前は、俺に虐められるのが本当は大好きだからな。
顔を上げさせ唇を合わせる。舌の動きが鈍い。絡めて吸ってやると少しは反応するが力無い。
「晋助…入れような」
言葉を理解できているのかどうか、桂の甘い囁きに、こくりと首が動いた。

布団にうつ伏せにさせて腰を持ち上げる。
玩具をゆっくり抜くと背筋に鳥肌が立った。宥めようと背骨に沿ってねっとり舌を這わせると、下から弱々しい吐息が聞こえた。汗で塩っぱい。
よしよし。
穴を広げ、一気に突き刺す。俺も限界だったのでな、今夜は生いっちょうだ。
これは…ぬるぬるにし過ぎたかもしれない。随分滑る。抜き差しする度に、じゅぽん、ぐしゅっ、と水音が響いた。
「あ、あ、んぁ」
高杉はもうあまり鳴く事も出来ていない。だらりと枕の向こうに伸ばされた手が、密かにかりりと畳の目を引っ掻く程度だ。
撫でてやろうと前に手を当てると、勃ちは悪いがきっちりとまた零していた。

何だかおチンチンがスースーすると思ったら、素で入れたから桂も軟膏の恩恵を受けてしまった様だ。
ううむ、悪くない、かな。独りごちると高杉の体をひっくり返し、その腰の下に枕を宛てがってやった。
ぴくぴくと高杉の陰茎が震えている。
「ヅラ…もう無理」
小さく呟く唇を撫で、額にそっと触れる。反射で閉じた目の端が少し濡れていた。
そうだな、ウン。真面目な顔で返すと、再度腰を埋め、グシュグシュと抜き差ししてやった。
「はあん、やっ、あ、あっ!」
高杉はぐったりしながらも、律儀にいじらしく喘ぐ。
可愛い、可愛い…、この!悪い子めェ!
そうして桂は中に出した。

「はっ…は…」
重なり合ってしばらく息を整えた。桂が体を起こす頃には、高杉の瞼はもう暫く開きそうになかった。
「晋助…これ、ずっと冷たいと結構ちんこ痛いネ。俺だけ?」
と、思い切り眉間に皺が寄った。まだ意識はある様だが返事は無かった。

「さて、火照りも取れたろう。これでぐっすり眠れるな?」
んな訳あるか!そう悪態を付いたのは、もう夢の中での事だった。
高杉の意識は、穏やかな涼しい風に紛れていった。